ITエンジニアの種類

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ITエンジニアとは

ITエンジニアとは

情報技術(IT:Information Technology)スキルを専門性に持つ開発者のことです。
そのスキルを駆使して、ソフトウェアの開発、システムの設計・管理、ネットワークの構築などを行います。

ITエンジニアの種類について

ITエンジニアの種類

ITエンジニアは、その業務内容により以下の5種類に大別できます。
エンジニアの種類業務内容
システムエンジニアシステムやソフトウェアを設計・開発
WEBエンジニアWebサイトやWebアプリの設計・開発
インフラエンジニアシステムを動かす基盤を構築
上流工程担当エンジニア経営層との交渉やプロジェクト管理など上流工程を担当
その他のエンジニア上記以外のエンジニア

ITエンジニアの詳細な分類

さらにITエンジニアは、以下の20種類に詳細分類できます。
引用:https://www.a-tm.co.jp/top/job-change/career-change-it/type-of-engineer/
これまで見てきた通り、フルスタックエンジニアにはIT分野の幅広い知識が求められます。効率的な知識とスキルの習得が必要であり、推奨される具体的なロードマップを以下に示します。

システムエンジニア(総称)

引用:https://www.a-tm.co.jp/top/job-change/career-change-it/type-of-engineer/
システムエンジニアは主に「システムやソフトウェアを設計・開発するエンジニア」です。
担当する作業や開発する対象によって、さらに細かい職種の分類があります。
システムエンジニア
通称「SE」。
システム導入にあたり、システム設計を主に行うエンジニアです。
システム開発における上流工程にあたる役割を果たし、業務範囲が広いことが特徴です。開発工程を俯瞰できるスキル・知識が求められ、企業やポジションによっては要件定義や設計だけではなく実際のシステム構築までを行なっている人も存在します。
アプリケーションエンジニア
通称「AE」。
ゲームやスマホアプリなどのソフトウェアの設計を行います。
SEとの違いはその開発対象にあり、設計・開発する対象がシステムであるのがSE、一方AEの開発対象は「アプリケーション」になります。
中でも「スマホ向けゲームの開発」を行うエンジニアは、クライアントエンジニアと呼ばれることもあります。
エンベデッドエンジニア
通称「組み込みエンジニア」。
電子機器に組み込まれたコンピューターを制御するソフトウェアの設計や開発を主な仕事としているエンジニアです。
開発するソフトウェアは自動車・家電製品・制御ロボットなどに組み込まれており、PCやサーバーとは異なり汎用性の無い限られたリソース内でソフトウェアを構築する必要があるため、開発の難易度が非常に高いです。
「IoT」の発展や自動車業界の変革期に際して、エンベデッドエンジニアの需要は高まっています。
プログラマー
引用:https://www.a-tm.co.jp/top/job-change/career-change-it/type-of-engineer/
システムエンジニアやアプリケーションエンジニアが作成した仕様書に基づき、実際に開発を行うエンジニアです。SEやAEがプログラマーを兼任する場合もあります。
プログラマーはプログラミング専門のエンジニアで、その開発対象は業務システムやアプリケーションなど多岐に渡っています。また開発対象やクライアントの要望によって、使用するプログラミング言語も様々です。
以下は、主なプログラミング言語とその用途をまとめた表です。
プログラミング言語主な用途
HTML/CSSWebサイト制作
PHPWebシステム(バックエンド)
JavaScriptWebシステム(フロントエンド)、ゲーム開発
RubyWebシステム(バックエンド)
PythonAI開発、ディープラーニング
SwiftiOSアプリ開発
Javaシステム開発、組込み開発、Androidアプリ開発
COS、システム開発、組込み開発
C++システム開発
C#システム開発、Unityゲーム開発

WEBエンジニア

WEBサイトやWEBアプリの設計や開発を行うエンジニアです。
開発内容に応じて、さらに2種類のエンジニアに分類することができます。
以下は、WEBエンジニアの種類と業務内容、主に使用する言語をまとめた表になります。
エンジニア種別仕事の内容プログラミング言語
フロントエンドエンジニアユーザーが操作する画面の設計・開発HTML/CSS/JavaScript
バックエンドエンジニアユーザーの操作に応じた処理を設計・開発Java/PHP/Rubyなど
フロントエンドエンジニア
WEBサイトにおいてユーザーの目に見える部分(フロント)の設計・構築を主に行います。
HTML/CSS、JavaScript、PHPなどを駆使して、WEBデザイナーのデザインを具現化していきます。
特にHTMLでのコーディングに特化したエンジニアは、「マークアップエンジニア」とも呼ばれます。
バックエンドエンジニア
画面上のユーザー操作に応じた処理の設計や構築を行います。ユーザーの目に見えない部分(バック)の開発ですが、WEBサイトを実現する上で無くてはならない開発領域と言えます。
主にJava、PHP、Rubyといったプログラミング言語を使用するため、フロントエンドエンジニアとは異なる知識・スキルが求められます。

インフラエンジニア

ソフトウェアやシステムが動作する基盤(インフラ)を設計・構築・運用保守します。
IT業界におけるインフラとは、ネットワーク・サーバー・データベースなどを一般的に指します。
以下はインフラエンジニアをさらに詳細に分類した表になります。
エンジニア種別仕事の内容
サーバーエンジニアサーバー、仮想環境の設計・構築・運用保守
ネットワークエンジニアネットワークの設計・構築・運用保守
データベースエンジニアデータベースの設計・構築・運用保守
セキュリティエンジニアセキュリティ管理システムの設計・構築・運用保守
クラウドエンジニアクラウドサービスを使ったインフラの設計・構築・運用保守
サーバーエンジニア
主にサーバー関連の開発をします。
メールサーバー(メールの送受信)、WEBサーバー(WEBサイト表示情報の送受信)、FTPサーバー(ファイルの送受信)、認証サーバー(アカウント認証情報の送受信)など、重要なITインフラの担い手と言えます。
近年では1つのサーバーに複数の仮想環境構築をする「仮想化技術」なども広まっており、今後新しいプラットフォームが登場してくる可能性も充分あるため、需要が拡大していく職種だと予想されます。
サーバーに関する知識・スキルとして、Linux OSの知識やシェルスクリプトのスキルを身につけておくと良いでしょう。
ネットワークエンジニア
主にネットワーク関連の開発をします。
具体的には、システム全体のネットワーク設計や、ルータ・ロードバランサー・スイッチ等のネットワーク専用機器の設定を実施します。またネットワークが機能するのに必要な、インターネットや通信機器の構築・運用も行います。
近年では「IoT」の活用増加に伴いWi-Fiや無線LANの需要が拡大しており、このような領域の開発でもネットワークエンジニアの力が必要とされています。
ネットワークに関する知識・スキルとして、ネットワーク機器で世界一のシェアを誇るCisco製スイッチやルーターが扱えると強みになるでしょう。
データベースエンジニア
データを保存したり取り出したりするシステム「データベース」を設計構築・運用保守します。
多くのシステムでデータベースは必須であるため、データベースエンジニアはシステムの心臓部を守る重要な役割を担っています。
近年需要拡大している「ビックデータ」活用との関連性も高いです。
データベースに関する知識・スキルとして、高いシェアを誇るOracle Databaseに関する知識や、データベース操作言語であるSQLを習得すると良いでしょう。
セキュリティエンジニア
主にセキュリティ関連の開発をします。
企業がもつ重要な情報を守り、セキュリティの脅威からシステムを守るための設計開発・保守運用を行います。
システムやデータを取り扱う場合、ユーザーは「顧客情報や企業機密情報の漏洩」「セキュリティ脆弱性を狙ったサイバー攻撃の被害」「コンピュータウィルスへの感染による被害」などの脅威に晒されています。セキュリティエンジニアは、これらの脅威による多大な損失・信用失墜からクライアントを守るための業務に取り組んでいます。
セキュリティに関する知識・スキルとして、ネットワークに加えて情報セキュリティマネジメントに関する知識も身につけておくと良いでしょう。
クラウドエンジニア
クラウド上でサービス展開するためのネットワーク構築、保守監視、サーバー構築などを行います。
過去、企業がサービス展開するには自前でサーバーやネットワークを構築する必要がありましたが、
近年では、クラウドサービス内で構築したサーバーやネットワークを利用して、サービス展開する企業が増えています。このようなクラウドサービスにおける、サーバーやネットワークの構築をするエンジニアが「クラウドエンジニア」です。
クラウドサービスに関する知識・スキルとして、最も有名なAmazonが提供するクラウドサービス「AWS」について学習しておくと良いでしょう。

上流工程担当エンジニア

コミュニケーションやプロジェクト管理をメインとする職種です。
主にシステム開発の上流工程を担当するため、ITエンジニアのキャリアパスにおける最終到達点の1候補と言えるでしょう。
以下は、上流工程担当エンジニアの種別と仕事の内容、スキルを示した表です。
エンジニア種別仕事の内容必要なスキル
ITコンサルタント経営課題に対してITを用いた解決策を立案業務知識
シニア層との顧客折衝
プレゼンテーション能力
プロジェクト
マネージャー
開発プロジェクト全体の管理し、
プロジェクトを成功に導く
マネジメントスキル
コミュニケーションスキル
ITコンサルタント
企業の経営課題に対してITを使用した改善案を立案・提示し、問題解決の支援を行います。
経営に一番近い最上流工程で要件定義を行う仕事であり、ITスキルに加えてクライアント業務に対する知識、経営層との折衝、プレゼンテーション能力など幅広い知識とスキルが求められます。
プロジェクトマネージャー
ITコンサルタントが計画し、実現に向けて発足したプロジェクトの全体統括を行います。
プロジェクトメンバーを統率し、限られたコストの中で品質を高め、期限内にプロジェクトを完了させることが求められるため、
メンバーやクライアントとのコミュニケーションだけでなく、進捗管理や変更管理などのマネジメントスキル全般が必要とされます。

その他のITエンジニア

上記に属さないITエンジニアも多数存在します。
以下の表は、これまで紹介した職種とは異なるエンジニア種別と仕事内容、必要スキルをまとめたものです。
エンジニア種別仕事の内容必要なスキル
社内SE社内システムの開発・運用・保守ITスキル全般
コミュニケーションスキル
フルスタック
エンジニア
Webシステム開発全般を行うWebシステム開発スキル
インフラスキル
データ
サイエンティスト
膨大なデータを分析し、
ビジネス上の意思決定を支援
統計学
プログラミングスキル
セールス
エンジニア
自社サービスやソフトウェアの営業自社サービス・製品の知識
営業力
品質管理エンジニア
(テストエンジニア)
設計・開発したシステムやソフトウェアの
品質管理、テスト
マネジメントスキル
コミュニケーションスキル
ISO規格の知識
フィールド
エンジニア
自社製品やソフトウェアの
顧客先への導入、サポート
自社サービス・製品の知識
コミュニケーションスキル
ブリッジSE自社企業と海外企業との橋渡し役語学力
マネジメントスキル
3Dエンジニアゲームやアニメに登場する3DCGの制作3DCG制作ソフトを扱うスキル
社内SE
自社内のシステム構築やメンテナンス、社内ネットワーク環境の構築やメンテナンス、貸出PCや社用携帯の管理を行います。新しいPCのキッティングといったヘルプデスクのような業務や、外部から新しいシステムを導入する際の立ち合いを行う場合もあります。
フルスタックエンジニア
Webエンジニアが行う開発業務と、インフラエンジニアが行うITインフラ基盤構築の両方を行うことができるITエンジニアのオールラウンダーです。
複数種類の業務を一人で行うスキルを保有しており、スタートアップ企業やベンチャー企業など少数で業務を回す組織でも活躍することが見込まれます。
フルスタックエンジニアになるには、Java・PHP・Pythonといった複数のプログラミング言語と、サーバー・データベースといったインフラスキルが必要です。
データサイエンティスト
蓄積された膨大なデータを分析して結論を導きだし、ビジネス上の意思決定を支援します。
膨大なデータを統計学をもとにAIに分析させることが必要になるため、AIに大量のデータを読み込ませて分類や予測ができるように学習させる技術(機械学習)および、そのためのプログラミング言語の習得が必須です。さらにAIが導き出した結果をレポーティングし、意思決定を行う経営層に説明するプレゼンテーション能力も求められます。
セールスエンジニア
「セールス(営業)」と「エンジニア(技術者)」の両方を行います。
クライアントが抱えている課題に対して自社製品やサービスで解決できることを提案(営業)し、導入後の技術的フォローまで行います。
IT知識に加え、それらを提案し契約に結び付けるための営業力やコミュニケーション能力も求められます。
品質管理エンジニア(テストエンジニア)
成果物のテストを行って不具合を洗い出し、システムおよびサービスの品質向上を図ります。
「テスト計画を立てる」「テストを実行する」「テスト結果を確認する」という流れでテストによる品質評価と確認を行います。
フィールドエンジニア
クライアント先に出向いて、システムや機器の導入・保守・修正などを行います。
近年では、医療現場での需要が高まっています。
ブリッジSE
開発業務の一部を海外企業に委託する場合などで、日本企業と海外企業との橋渡しを行うエンジニアです。
ITスキルはもちろんのこと、「海外企業の人間と直接対話できる高度な言語能力」「その国の文化や価値観、考え方の理解」「委託先海外企業を管理するためのマネジメントスキル」も求められるポジションです。ブリッジSEの存在が、企業のグローバル進出を左右する可能性もあると言えるでしょう。
3Dエンジニア
ゲーム・アニメ・動画などで使われる3DCGを制作します。
具体的には、3Dモデラー・3Dデザイナー・モーションデザイナーなどが挙げられます。
昨今ではゲームやアニメ以外にも「VR/AR」「メタバース」などの領域で3D技術の需要が急速に拡大しており、多くの業界で注目されている存在と言えるでしょう。
3Dエンジニアには、2Dで表現するCGデザイナーのスキルに加え、「3DCG制作ツールを扱う技術力」「二次元から立体物へ表現するためのデッサン力」「多くのエンジニアと柔軟に対話できるコミュニケーション能力」が求められます。

まとめ

全部で20種類のITエンジニアを紹介しました。それぞれのエンジニアの仕事内容を踏まえて、自分らしいキャリアパスを描きましょう。
ITエンジニアの分類各分類におけるエンジニアの種別
システムエンジニア・システムエンジニア
・アプリケーションエンジニア
・プログラマー
・エンベデッドエンジニア(組込みエンジニア)
Webエンジニア・フロントエンドエンジニア
・バックエンドエンジニア
インフラエンジニア・サーバーエンジニア
・ネットワークエンジニア
・データベースエンジニア
・セキュリティエンジニア
・クラウドエンジニア
上流工程担当エンジニア・ITコンサルタント
・プロジェクトマネージャー
その他エンジニア・フルスタックエンジニア
・データサイエンティスト
・社内SE
・セールスエンジニア
・品質管理エンジニア(テストエンジニア)
・フィールドエンジニア
・ブリッジSE
・3Dエンジニア

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